変えられた運命 45人の報道写真から世界の現状を見つめる

6月10日から「世界報道写真展 2017」が目黒・東京都写真館にて開催される。生命が脅かされるウミガメや、避難民キャンプの子どもなど、世界の現実を捉えた報道写真の数々を展示。

世界報道写真大賞 スポットニュースの部 組写真1位 ブルハン・オズビリジ 2016年12月19日 アンカラ・トルコ

 「世界報道写真コンテスト」はオランダで毎年開催されているドキュメンタリー、報道写真のコンテスト。入賞作品は「世界報道写真展」として世界中で展示される。今年は125の国と地域から5千人以上のプロカメラマンが参加し、8万点を超える応募があった。その中から選ばれた8部門45人の受賞作品が本展にて展示される。

 コンテストの部門は、「スポットニュースの部」「現代社会の問題の部」「日常生活の部」「一般ニュースの部」「長期取材の部」「自然の部」「人々の部」「スポーツの部」の8つ。もっとも優れたフォトグラファーに贈られる「世界報道写真大賞」を受賞したのは、AP通信所属のブルハン・オズビリジだ。トルコの首都アンカラで開催された写真展で22歳の非番警官が駐トルコ・ロシア大使を射殺し、叫び声をあげている緊迫した瞬間をとらえている。

 「スポットニュースの部」で受賞したアブド・ドゥマニーは、シリアで政府による空爆を受け負傷した少女を、「一般ニュースの部」で受賞したサンティ・パラシオスは「リビアで母親が死んだ」と泣きながら語るナイジェリアの少女をNGOの救命ボートの上で撮影。「スポーツの部」で受賞したカイ・オリバー・プファッフェンバッハは2016年リオデジャネイロ・オリンピックでジャマイカのウサイン・ボルトがライバルを振り返って笑顔を見せている瞬間を写している。

 世界の現状をありのままに切り取った報道写真の数々に目を凝らしたい。

編集部

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