EXHIBITIONS

愛媛県美術館開館25周年記念

大竹伸朗展

2023.05.03 - 07.02

大竹伸朗 憶景 14 2018 153 × 133 × 9.2 cm

大竹伸朗 宇和島駅 1997 Photo:早田浩紀 / 愛媛県美術館 2023

大竹伸朗 スクラップブック #71 / 宇和島 2018〜21
33 × 85.5 × 40.4 cm 574 ページ / 17 kg Photo:岡野圭

大竹伸朗 モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像 2012
Commissioned by dOCUMENTA(13) Photo:山本真人

 愛媛県美術館で、開館25周年を記念した展覧会 「大竹伸朗展」が開催されている。

 大竹伸朗は1955年東京都生まれ。1980年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。80年代初頭より、絵画を中心に音や写真、映像を取り込んだ立体作品などの多彩な表現を展開。異分野のアーティストとのコラボレーションでも知られ、現代美術のみならず、デザイン、文学、音楽など、あらゆるジャンルで活躍する。1988年以降愛媛県宇和島市に拠点を移し、活動している。代表作に2009年、香川県直島にオープンした公共浴場の《直島銭湯 「I♥湯」》など。また、写真やチラシ、雑誌の一部などをコラージュした 「スクラップブック」を数多く手がけている。

 大竹は、分野を限定することなく多彩な活動を展開し、二大国際展であるヴェネチア・ビエンナーレ(2013)とドクメンタ(2012)に参加するなど、現代日本を代表するアーティストとして海外でも高く評価されている。

 本展は、高度成長期の東京に生まれ育ち、1988年以降は愛媛県宇和島市を拠点に活動している大竹伸朗の軌跡を7つのテーマ 「自/他」 「記憶」 「時間」 「移行」 「夢/網膜」 「層」 「音」に基づいて読み解く回顧展である。

 消費され、忘却されてゆくようなあらゆる 「もの」に着目し、半世紀近くにわたり独創性に溢れる作品を手がけてきた大竹。その膨大な数の作品の中には《ニューシャネル》や《宇和島駅》をはじめ、宇和島ゆかりの作品も数多くみられる。

 会場では、ライフワークである70冊を超える《スクラップブック》や記念碑的な立体大型作品を含む、選び抜かれた約500点に及ぶ作品を、あえて時系列から切り離し、その作品世界に没入できるよう再構築している。

 初の地元開催となる本展では、開館25周年を迎える愛媛県美術館を会場に、宇和島市、そして道後温泉本館(松山市)と連携した特別展示も実施されている。