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企画展示「いにしえが、好きっ!-近世好古図録の文化誌-」

『聆涛閣集古帖』鏡 江戸後期 国立歴史民俗博物館蔵

粉地彩絵倚几 明治時代 東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives

『聆涛閣集古帖』甲冑軍営 江戸後期 国立歴史民俗博物館蔵

『聆涛閣集古帖』食器 江戸後期 国立歴史民俗博物館蔵

 国立歴史民俗博物館で、企画展示「いにしえが、好きっ!-近世好古図録の文化誌-」展が開催されている。

 国立歴史民俗博物館には、江戸後期に編纂された 『聆涛閣集古帖(れいとうかくしゅうこちょう)』という図譜集がコレクションされている。これは、兵庫県の神戸・住吉の豪商だった吉田家が三代にわたり編纂した、いまでいう 「図録」や 「カタログ」にあたり、考古資料、文書・典籍、美術工芸品など、様々なジャンルに及ぶ著名な歴史資料、約2400件が精緻な筆致で描かれた一大コレクションである。

 また江戸時代には、古いモノを愛する 「好古家」と呼ばれる人々が数多くおり、自分のコレクションや、実際に見たことのある古器物をスケッチして、 「好古図譜」というかたちで纏めることが盛んに行われていた。本展では、それらの原品や複製・模造品等を集め、立体的に展示することで、二次元の世界を三次元に再現している。

 加え『聆涛閣集古帖』を編纂した吉田家関連資料から浮かび上がる好古図譜編纂の背景、吉田家旧蔵の豊かなコレクションの数々、同時代に関心が高まる正倉院宝物図とその模造製作の世界、好古家のネットワークなどに関する展示を通じて、近代的な博物館が生まれる前の「いにしえ好き」たちの歴史資料への豊かな眼差しを明らかにしている。