EXHIBITIONS

みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2022

山形県山形市中心市街地
2022.09.03 - 09.25

キービジュアル

稲葉俊郎・須長檀 「おくすりてちょう」をつくる

ホアン・マヌエル・カストロ FORMATA 地球外的で、活動的で、自発的な実体

現代山形考─藻が湖伝説

岡崎裕美子+ナオヤ 現代山形考─日本のかたち

美術の學校:ワークショップ作品展〜山の土と物語〜

吉田重信 光の鳥

PINK PUBLIC PROJECT イメージ

 東北芸術工科大学が2年に1度主催する芸術祭「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」。今年は山形県山形市中心市街地で7つのプログラムが行われる。期間は9月3日から9月25日までの12日間(金土日祝日のみの開催、文翔館は平日も公開)。

 山形市内を舞台に様々な芸術作品と活動を発表してきた「山形ビエンナーレ」は、前回より医師の稲葉俊郎を芸術監督に迎え、「山のかたち、いのちの形」と題した新たなシリーズとして始まった。

 今年のテーマは「いのちの混沌を越え いのちをつなぐ」。山形市立第一小学校旧校舎を活用した新たなプラットフォーム「やまがたクリエイティブシティセンターQ1(キューイチ)」や、山形県郷土館「文翔館」、やまぎん県民ホール、市街地商店街、リノベーション物件などが会場となる。

 本祭を構成するプロジェクトは、「いのちの学校/土と人」(岩井天志)、「現代山形考~藻が湖伝説~」(三瀬夏之介)、「現代茶経 第1章/山の上の陶器市」(深井聡一郎)、「屋根のない美術館─いのちの光─」(青山ひろゆき)、「まちのおくゆき」(アイハラケンジ)、「美術の學校 ─つくる・つかう・あそぶ・かんがえる─」(安達大悟)、「PINK PUBLIC PROJECT」(原高史)の7つだ ※()内はキュレーター。

「いのちの学校/土と人」では「commons」をテーマに、食と音楽ライブ、パフォーマンスなどを展開し、ポストコロナにおける新しいコミュニティのかたち、共有空間を探る。

「現代山形考~藻が湖伝説~」は、山形が海の下だった時代からポストコロナの未来まで、ありえたかもしれない世界を想像する作品展。会場を歴史的文化財や現代美術の作品で埋め尽くし、現在の山形の地名にも由来を残す村山盆地に伝わる「藻が湖(もがうみ)伝説」を再現する。

 続いて「現代茶経 第1章/山の上の陶器市」は、唐時代に書かれた茶の経典「茶経」の現代版として、アート・工芸・食が絡み合う、現代におけるお茶の楽しみ方を提案する試み。

「屋根のない美術館─いのちの光─」では、夜のすずらん商店街(山形市香澄町)で歩行者天国が開放され、ライブアートや演劇、参加型のデジタルアート、ワークショップなどが毎週入れ替わり、訪れる人たちを迎える。

 やまがたアートサポートセンターら・ら・らとの共同企画である「まちのおくゆき」は、多様性を受容しながら「福祉」の現場とアートをつなぎ、異なる身体や感覚、他者について想像する活動を重ねていくプロジェクト。

 いっぽう「美術の學校 ─つくる・つかう・あそぶ・かんがえる─」では、東北の自然や素材をとらえながら自らの身体を通して創作する、市民たちと活躍中のクリエイターが協働企画したワークショップが行われる。

 そして「PINK PUBLIC PROJECT」では、アート、ダンス、ファッション、写真の表現がコラボレーション。少子高齢化や若者の県外流出、コロナ禍に伴う問題などを抱えている、山形の街を元気づけるべく、県内のダンサーと市民100名の参加のもと「クリーンアップ・ダンス」を披露する。

 それぞれのプロジェクトには多数のアーティストが参加予定。詳細は公式ウェブサイトをチェックしてほしい。