EXHIBITIONS

みる誕生 鴻池朋子展

2022.07.16 - 09.04

鴻池朋子 アライグマの糞 模型 2021 © Tomoko Konoike

鴻池朋子 狼チェア(仮) 2022 © Tomoko Konoike

鴻池朋子 制作風景 2022 © Tomoko Konoike

鴻池朋子 《武蔵野皮トンビ》 設置風景(参考図版) 2021
© 2021 Tomoko Konoike Courtesy of Kadokawa Culture Museum ※本展では新作を展示

鴻池朋子 Dream Hunting Grounds カービング壁画 秋田県立近代美術館(2018)での展示風景
新田安紀芳氏蔵(アーツ前橋寄託) © Tomoko Konoike

鴻池朋子 物語るテーブルランナー 2014~ © Tomoko Konoike

木下今朝義 故郷の風景 2002 一般社団法人金陽会蔵 © 坂本和代

 アーティスト・鴻池朋子の展覧会「みる誕生 鴻池朋子展」が高松市美術館で開催される。

 鴻池は1960年秋田県生まれ。旅をしながら地形や季節とともに制作を重ね、一貫して芸術の根源的な問い直しを続けてきた。その表現において、アニメーションから絵画、絵本、彫刻などから手芸、おとぎ話、歌まで、あらゆる身近なメディアを用いている。

 今回、鴻池は生まれたての体で世界と出会う驚きを「みる誕生」と名付けた。観客は眼だけではなく、手で看(み)る、鼻で診(み)る、耳で視(み)る、そして引力や呼吸で観(み)て、美術館という強固な建築と、疎遠になってしまった自然界とに新たな通路を開くことになる。

 会場では、本展のために新たに制作された牛革ツギハギの《皮トンビ》を初公開。美術館のエントランスホールの《皮トンビ》から始まるひもをみちしるべに、それを伝いながら展覧会全体を周遊でき、展示室に導かれると、新作の《どうぶつの糞》の模型などとともに、人間の痕跡である美術館のコレクションが共存する。

 今年4月から11月まで開催される瀬戸内国際芸術祭2022にて、大島で作品を展開する鴻池。同じく大島で、初の大規模展を開催中の国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」の作品群を、高松市美術館においても展示することで、様々な記憶をつなぐ「インタータイダル・ゾーン(潮間帯)」という場を提案する。