EXHIBITIONS

アーツ千代田 3331特別企画展

山王祭がゆく~二人の絵師と人・まち・祭~

岡田親 江戸町火消 六十四組勢揃 その一

作者不詳 山王祭礼之図 第一巻(部分) 日枝神社蔵 ※レプリカを展示

木下栄三 鍛治橋御門

 アーツ千代田 3331は、江戸時代から続く伝統の「山王祭」の時期に合わせ、特別企画展「山王祭がゆく 〜二人の絵師と人・まち・祭〜」を開催している。

 日枝神社(千代田区永田町)に伝わる山王祭は、番町・麹町・日本橋・京橋・銀座周辺という広大な氏子町で行われる祭り。豪華な山車や附祭(つけまつり)が300メートルもの長い行列となって街を練り歩く、華やかな祭礼行列の「神幸祭」が見どころのひとつだ。

 ビルに覆われた大都市・東京の街を背景に、勇ましい木遣り(きやり)の声が響き、時代装束に身を包んだ総勢500名が厳かに歩を進める光景は、江戸からの歴史が積層し受け継がれる東京の風物詩であり、その場所に住む人々が作り出した都市文化ともいえる。

 本展は、現代に生きる絵師・岡田親(おかだ・ちかし)と木下栄三の2名による江戸と現代が交錯する作品群と、江戸時代に描かれた山王祭の壮麗な絵巻物(レプリカ)を同時に展示。一時的に姿を消した祭礼行列を振り返り、ハレの日として祭を迎える人々の心情や街の景色に思いをめぐらせる。

 また会期中、アーツ千代田 3331のウッドデッキでは、実際に使用された御仮屋(おかりや)*を鳶頭の手で建て、再現展示を行う。

*──お祭りの期間にのみ造られ、神輿渡御の際に一時的に神輿が休む「仮の宮」のこと。