EXHIBITIONS

Chim↑Pom from Smappa!Group

2022.04.27 - 06.04

Chim↑Pom from Smappa!Group「Chim↑Pom from Smappa!Group」(ANOMALY、東京、2022)での展示風景
撮影=森田兼次 Courtesy of the artist and ANOMALY

Chim↑Pom from Smappa!Group「Chim↑Pom from Smappa!Group」(ANOMALY、東京、2022)での展示風景
撮影=森田兼次 Courtesy of the artist and ANOMALY

 森美術館で回顧展「ハッピースプリング」を開催中のChim↑Pom from Smappa!Group。ANOMALYで開催される個展は「Chim↑Pom」の活動の一区切りであり、Chim↑Pom from Smappa!Groupのはじまりとして新作を発表する(2022年4月、改名のお知らせを掲載)。

 かねてよりホワイトキューブという現代美術のメインサイトの枠外で活発に活動し、逆説的に現代美術フィールドの坪数を押し拡げてきたChim↑Pom from Smappa!Groupは、グループ結成時より「街」と深い関係にある。街や日常にある現物やそこで起こる事象を美術館やギャリーに持ち込み、場所を異化させ、時代のリアリティを忖度なく追求し、独自の視点から都市論を展開してきた。

 本展覧会では、Chim↑Pom from Smappa!Groupの改名の由来でもある、歌舞伎町のホストクラブを中心とした企業、Smappa!Groupの協力を得て制作された、新作映像とライトを用いた作品を発表する。新型コロナウイルスのクラスター発生源の代表格として、ネガティブで根拠の乏しい風評を浴び、社会の一員であることから除外される風潮にある「夜の街」の人々とアーティスト、どちらも「水商売」ともいわれる者同士の協働となる。

 また本展では、森美術館での出品作《性欲電気変換装置エロキテル》の別バージョンとして、新作を展示する。本作では実際に歌舞伎町にあった街路灯を使用。ピンク広告を見た不特定多数の成人からの電話の着信電波をセンサーで感知して発光するもので、限りある資源の代替として「性欲」を電気変換し、永久に安定したエネルギーを供給すべく開発された、どんなエネルギーも無駄にしない、エコロジカルでサステイナブルな思想を作品として昇華させた、Chim↑Pom from Smappa!Groupの個性的な「パブリックアート」だ。

 なお、会期中にはSmappa!Groupを率いる手塚マキらを招聘し、トークセッションも実施予定。またANOMALYでの個展と同時期に、無人島プロダクションでは「いつのことだか思いだしてごらん」展(~5月29日)が開催されている。