ARTISTS

高山明

Akira Takayama

 高山明は1969年生まれ。ドイツで演劇活動をした後帰国し、2002年より演劇ユニット「Port B(ポルト・ビー)」を主宰。13年にはPort都市リサーチセンターを設立。「演劇とは何か」を根底に据え、国内外の都市を舞台としたインスタレーションやツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクト、言論イベントなど、現実社会に介入するプロジェクトを展開している。近年の主なプロジェクトに、世界各所のマクドナルドを大学に見立て、入店した観客が、哲学や音楽、建築などの専門分野を持つ移民や難民のレクチャーをラジオで聴講する「マクドナルドラジオ大学」(2017〜)、演じながら学んでいくベルトルト・ブレヒトの「教育劇」の理念をもとに、参加者が修学旅行生になりきって実際にあるかもしれない東京観光のツアーを組む「東京修学旅行プロジェクト」(2018年より新たに「新・東京修学旅行プロジェクト」として継続)など。美術や観光、文学、建築、都市リサーチなど様々な分野と交差することで、演劇の可能性を拡張し、社会に接続する方法を追求している。

 これまで、シドニー・ビエンナーレ(2018)、シャルジャ・ビエンナーレ(2017)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館、東京)、ヨコハマトリエンナーレ2014などの展覧会や芸術祭に参加。あいちトリエンナーレ2019では、「表現の不自由展・その後」の電凸による中止を受けて、アーティストが運営する「Jアートコールセンター」を設立。同芸術祭に関わる電話での問い合わせを、愛知県職員に代わってアーティストたちが対応し、電話対応の法的、制度的再設定を試みた。同プロジェクトは東京ビエンナーレ2020に出展予定。