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イヴ・クライン

Yves Klein

 イヴ・クラインは1928年フランス・ニース生まれ。ニースの国立商船学校、国立東洋学校で学ぶ。モノクローム絵画をはじめとする独創的な作品やパフォーマンスで知られる。52年より日本に滞在した際に力士の手形や魚拓、柔道、広島の原爆に影響を受け、後に「人体測定」シリーズを制作。モノクローム絵画では、とくに生まれ故郷ニースの海岸で見た空の色であるとともに、宇宙の根源的なエネルギーに通ずる色である「青」を理想とした。57年にミラノで開催された個展で、自らが開発した青の染料を使用した絵画作品群を発表し、一躍脚光を浴びる。

 60年には、この顔料を「インターナショナル・クライン・ブルー(以下IKB)」と名づけ特許登録を行った。代表作に、「IKB」を塗った女性の裸体をキャンバスに写し取った《人体測定》(1960)があり、この色を使用して代表作を次々と発表。また、58年に何も展示しない展示空間を白いペンキで塗った「空虚」展を開催し注目を集めたほか、61年より顔料にガスバーナーを吹きつけ、焦跡を発色させる「火の絵画」シリーズを制作した。62年に34歳で没。2018年に生誕90周年を迎え、フランスの高級塗料会社「Ressource(ルスルス)」が「Yves Klein®」塗料コレクションを発表。クラインの代名詞でもある「IKB」が販売され、話題を呼んだ。