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EXHIBITIONS

時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの

2022.10.01 - 2023.03.05
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イヴ・クライン 人体測定(ANT66) 1960 いわき市立美術館蔵

 吸い込まれるような鮮やかで深い青で表現したイヴ・クライン。その作品を中心に構成された、国内では37年ぶりとなる展覧会「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの」が金沢21世紀美術館で開催される。

 イヴ・クライン(1928~62)は、わずか34年あまりの人生のうちに、数々の傑作を生み出し、世界的にも高く評価されているフランスのアーティストだ。戦後において、芸術の「脱物質化」を求め、絵画、またアクションやパフォーマンスなどを通じ新しい技法や大胆な試みを行った。とりわけ、自ら開発した青の顔料「インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)」で知られている。

 本展は、ピノー・コレクションCEOのエマ・ラヴィーニュと、金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子との共同企画で構想されたもの。2020年、ポンピドゥ・センター・メスで当時の館長だったエマ・ラヴィーニュによって企画された「スタジオとしての空―イヴ・クラインとその同時代の人々」展から着想を得ている。

 今回、金沢21世紀美術館ではイヴ・クラインを中心に、芸術における非物質性をそれぞれに追究した同時代の作家たち、さらに現代の作家を加えて、各々の芸術に共通する「非物質性」というテーマを浮かび上がらせる。

 出品作家は、イヴ・クライン、今井祝雄、エンリコ・カステラーニ、金山明、キムスージャ、草間彌生、トマス・サラセーノ、白髪一雄、白髪富士子、ルーチョ・フォンタナ、アルベルト・ブッリ、布施琳太郎、ピエロ・マンゾーニ、ハルーン・ミルザ、元永定正、ギュンター・ユッカー、ローター・ヴァレーら。

 1950年代初めに来日し、柔道を嗜むなど日本とも縁のあるイヴ・クライン。日本とのつながりから、クラインの芸術の源泉をたどる展示も見どころのひとつとなる。