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伊東宣明

Nobuaki Itoh

撮影=吉次史成

 伊東宣明は1981年奈良県生まれ。2006年京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科卒業。09年京都市立芸術大学大学院絵画(造形構想)専攻修了、16年同大学大学院美術研究科 メディア・アート専攻(博士後期課程)修了・博士(美術)学位取得。人間が生きるうえで避けられない「身体」「生/死」「精神」といった根源的なテーマを扱い、映像作品やインスタレーションを制作している。

 主な作品に、20歳前後の男女十数名が一様に「いま、私は人生で一番美しい」と1000年後の鑑賞者に宣言する映像によって、逆説的に有限の身体を意識させる《人生で一番美しい》(2018)、聴診器を通して聞く自身の心臓の鼓動に合わせ、生肉の塊を叩く「生きている/生きていない」シリーズ(2012-)、「戦時中、髪の毛で代用醤油がつくられていた」という都市伝説を引用し、自身の髪の毛から醤油を生成・食すことで「循環」を示唆した《≒醤油》(2006)などがある。

 近年の個展に「フィクション / 人生で一番美しい」(WAITINGROOM、東京、2018)、「人生で一番美しい」(同志社女子大学ギャラリー、京都、2018)、「生きている/生きていない 2012-2017」(ギャラリー16、京都、2017)。受賞歴に、群馬青年ビエンナーレ2012入選、京都市立芸術大学制作展奨励賞(2009)、第10回岡本太郎現代芸術賞入選(2007)などがある。