2016年に44万人以上の来場者数を記録した「若冲展」をはじめ、東京国立博物館で開催中の「運慶展」(〜11月26日)、京都国立博物館の「国宝展」(〜11月26日)など、日本美術に対する関心は近年、ますます高まっているようにみえる。
そんな日本美術の歴史において、数多く存在する名作。その名作同士のつながりに焦点を当てた展覧会「名作誕生」が2018年春に開催されることになった。
本展では、ジャンルや地域、そして時代を超えた「名作」約120件が集結。
国宝「普賢菩薩像」(12世紀)や国宝「聖徳太子絵伝」(1069)などをはじめ、雪舟の重要文化財《四季花鳥図屏風》(15世紀)、伊藤若冲の重要文化財《仙人掌群鶏図襖》(18世紀)、尾形光琳の国宝《八橋蒔絵螺鈿硯箱》(18世紀)、そして岸田劉生の重要文化財《道路と土手と塀(切通之写生)》などを展示。4章、12のテーマに分け、モチーフのつながり、あるいは巨匠たちのつながりによって、どのような作品が生み出されてきたのかを明らかにする。
本展は、1889年に岡倉天心らが創刊し、いまなお発行され続けている世界最古の美術雑誌『國華』(こっか)の130周年を記念して開催されるもの。『國華』主幹の小林忠は「名作を同じ空間で並べる贅沢な試みをしてみようというのが趣旨」と話す。
美術史を読み解く上で欠かせない「文脈」。それを具体的に展覧会というかたちで示す。なお、本展は他の会場への巡回は予定されていない。