村山悟郎は1983年東京都生まれ。2015年に東京藝術大学美術研究科博士後期課程美術専攻油画(壁画)研究領域を修了し、17年まで、文化庁新進芸術家海外研究員としてウィーンにて制作。現在は客員研究員としてウィーン大学間文化哲学研究室に所属している。
「監獄のファンタジー」(15年、東京)の続編にあたる本展のテーマは「クソコラ(CRAPPY COLLAGE)」。16年にトルコのギャラリーで起こったロシア駐在大使殺人事件を引用し、デジタルフォトコラージュと映像によるコラージュ作品で構成されている。
「政治的デモンストレーションとしてメディアを濫用しようとする暴力に、同じメディアの地平で抵抗するために、私は本展を企図する」と語る村山。メディア操作にあふれた現代の様相に批判を加える本展をとおして、メディアとそれを取り巻く状況について、改めて考える機会を提供する。