仁和寺は888年京都で創建された真言宗御室派総本山の寺院。出家後の宇多法皇が住んでいたことから「御室御所」と呼ばれた時期もあり、広大な境内の一角にある「御室桜」は和歌で詠まれるほど。
本展では仁和寺の本尊、秘仏をはじめとした普段は公開されない仏像が一堂に集結。仁和寺からは創建当時の本尊《阿弥陀如来坐像および両脇侍立像》、秘仏《薬師如来坐像》などが公開。他にも葛井寺(ふじいでら)の《千手観音菩薩坐像》など、70体の仏像が会期中に公開される予定となっている。
また、2014年度に修理が完了した仁和寺所蔵の《三十帖冊子》が公開されるほか、普段は修行場であるため非公開の仁和寺観音堂の再現も行われる。
特に《三十帖冊子》は入唐時に空海が直筆で書写したものが十数帖確認されており、他にも橘逸勢など著名な書家が書写に参加した密教法典。本展では全帖が公開される。