ニューヨークの街角で50年以上にわたって道ゆく人々のファッションを撮影したビル・カニンガム。青い作業着に身を包み、自転車で颯爽と人々の目の前に現れたカニンガムが2016年に逝去、ファッション界をはじめ各界から追悼の意が寄せられたことは記憶に新しい。そんなカニンガムが密かに書き進めていた自叙伝が、今年の9月にペンギン・ブックスから発行される予定(日本での発行時期は未定)だという。
カニンガムの死後、家族が発見したという自叙伝の原稿。『ニューヨーク・タイムズ』誌によるとこの本には、姉のドレスをまとい、母に怒られたという幼少期の思い出、ハーバード大学を中退後ニューヨークに渡り、女性用の帽子ブランドを立ち上げた経験、そしてニューヨークファッションウィークに「押し入った」試みなど、若き日のカニンガムがニューヨークで自分の道を見つけるまでの過程が書かれているという。

(By Fred Hsu on en.wikipedia - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=52211950)
生前、自らを多く語らず、8年がかりの撮影交渉のち公開されたドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』によって、その素顔が初めて明らかとなったカニンガムだが、劇中で語られた生い立ちはわずか。今回発表される初の自叙伝では、カニンガムの知られざる人生がより鮮明に記されていることが期待される。