Museum from Home:川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」

新型コロナウイルスの影響で、会期途中で閉幕した展覧会や臨時休館となってしまった展覧会を紹介する「Museum from Home」。第32回は、開催日未定となっている川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」をご紹介します。

川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景 撮影=大杉謙治
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 今年は大阪万博から50周年の節目の年。そんななか再び注目を集めている「バシェ音響彫刻」を一堂に紹介する展覧会が、川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」だ。

 「音響彫刻」とは、フランソワ・バシェとベルナール・バシェの兄弟が制作した、誰でも自由に演奏することのできる楽器でありオブジェ。1970年の大阪万博では、鉄鋼館のディレクターであった作曲家・武満徹がフランソワ・バシェを招聘し、音響彫刻を制作・展示。「芸術はすべての人と共有するものである」という理念を貫いた岡本太郎の《太陽の塔》とともに、多くの人々の注目を集めた。

 以降、音響彫刻はそのまま鉄鋼館に保管されていたが、2013年頃から大阪府、東京藝術大学、京都市立芸術大学が中心となって修復・復元作業が行われ、現在は当時と変わらぬ造形美と音響を取り戻している。

 本展には17点の音響彫刻のうち、復元された5点が一堂に集結。それぞれ異なる個性を持つ《高木フォーン》《川上フォーン》《桂フォーン》《渡辺フォーン》《勝原フォーン》を、岡本太郎の絵画や彫刻、レリーフ作品の並ぶ空間で共演させる試みだ。

 なお美術館のウェブサイトでは、本展の様子がVR技術を利用して公開中。またYouTubeでは展示室の360度映像や、音響彫刻の演奏動画なども見ることができる。

川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景 撮影=大杉謙治
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景 撮影=大杉謙治
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景 撮影=大杉謙治
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景
川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」の展示風景