進化したJW ANDERSON。新たなロンドン旗艦店は現代の「驚異の部屋」?【2/4ページ】

世に送り出した幻のカップ&ソーサー

 店の中に足を踏み入れて、まず目に入るのはJW ANDERSONとウェッジウッド、ルーシー・リー&ハンス・コバー財団の三者によるコラボレーションだろう。20世紀の偉大な陶芸家ルーシー・リーのデザインによる、ウェッジウッドのシグネチャーともいえるジャスパーウェアに白いラインを施したカップ&ソーサーだ。

ルーシー・リーがデザインしたJW アンダーソン x ウェッジウッドのカップ&ソーサー。紅茶用とコーヒー用の2種類がある courtesy of JW Anderson

 リーはオーストリア、ウィーン出身で1930年代後期からはロンドンを拠点に活躍。優美で力強い作品で知られている。アンダーソンはリーの長年のファンで、彼女の陶芸品を数多く所有するコレクターでもあるという。このカップ&ソーサーは1964年にリーがウェッジウッドのためにデザインしながらも、実際に世に送り出されることのなかったものだ。アンダーソンはオークションで見つけた古いカタログにこのデザイン面を発見。今回その製品化の後押しをした。リミテッドエディションとしてJW ANDERSONの旗艦店、JW ANDERSONの公式サイトのみでエクスクルーシブに扱う。

「ルーシー・リーがずっと実現を願っていた、このコラボレーションを讃える機会となりました。本当に素晴らしいのは、ウェッジウッドが彼女の思い描いた通りのデザインを実現してくれたことです」とアンダーソンはプレスリリースを通して語っている。この収益はルーシー・リー&ハンス・コバー財団を支援に使われ、アーカイブ資料の保存やデジタル化などに充てられる予定だ。

 また、アンダーソンがコレクションしていた品のなかから選ばれた、5世紀のギリシャの陶器にインスパイアされたペアマグも登場している。こちらもジャスパーウェアでつくられており個数限定での展開で、ブルー&サクソンブルー、チョコレートブラウン&ブラック、カネアリーイエロー&ミモザイエローの組み合わせがある。

ツインマグは日本ではウェッジウッドの公式オンラインストアから購入が可能だ courtesy of Wedgwood