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「夏と秋の美学 鈴木其一と伊年印の優品とともに」(根津美術館)レポート。夏から秋へ、季節の移ろいを愛でる日本の美意識の精華【2/2ページ】

鈴木其一が達した画境

 其一の《夏秋渓流図屏風》は、金地に檜(ひのき)の林と渓流が浮かび上がり、右隻で山百合の白が夏を、左隻で赤い桜の葉が秋を示す。緑青と群青の濃密な色彩、檜にとまる蝉の描写なども相まって、シュルレアリスムにも通じるような、どこか異様で非現実的な趣を呈する。琳派の異才といわれるゆえんだ。

展示風景より、重要文化財 鈴木其一筆《夏秋渓流図屏風》(日本・江戸時代 19世紀、根津美術館)

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