新型コロナウイルスの影響により、2月29日より休館していた東京・竹橋の東京国立近代美術館が、6月4日に再開館した。所蔵作品展「MOMATコレクション」と、コレクションによる小企画「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」も再開された。
再開当日は目立った行列もなく、久々の入館者をスタッフ一同が出迎えた。同館は再開にあたり、ウェブサイトからの時間指定予約制を導入。いっぽうで一部当日券も継続して販売しており、チケットカウンター前の床には一定の距離を保って並ぶための表示が設置された。また、マスク着用や来館日時の記録などを来館者に立て看板で要請している。
館内入口は人の交錯を避けるために入退場の導線を分離。入口を通過するとすぐに検温コーナーがあり、スタッフが来館者の体温を測定する。検温後の来館者は、手指の消毒のための消毒液が置かれた机に向かうことになるが、手洗いを行うためにトイレへと誘導する床面の表示も設置されている。
チケットを確認する展覧会入場口と、インフォメーションカウンターにはプラスチック製の仕切りが設置され、飛沫感染の対策を行っている。館内を移動するためのエレベーターも定員を4人に制限しており、階段の利用が推奨される。
2階の「アートライブラリ」は7月中を目処に事前予約制での再開を予定。また、4階の「情報コーナー」は展覧会図録をはじめとした資料が撤去されており、検索端末も使用が停止されている。いっぽうで展望休憩室「眺めのよい部屋」は椅子の数を減らしているが、通常どおり開放されており、皇居のお堀を眺めることが可能だ。
開催中の「MOMATコレクション」は、すべての作品の観覧が可能。当日は人の姿もまばらで、来館者もゆったりと作品を鑑賞していた。
現在はコレクション展のみの開催だが、12日からは企画展である「ピーター・ドイグ展」も再開され、多くの来館者が訪れる可能性もあるという。同館は状況に応じて適切な対応を行いつつ、来場者の鑑賞環境をつくっていきたいとしている。