東京都名誉都民とは、東京都が功労ある都民を顕彰するために贈呈する称号で、1953年に始まったもの。文化・芸能や学術、教育、スポーツなど様々な分野で功績のあった都民に対して贈られており、これまで美術分野では奥村土牛や川合玉堂などが名誉都民となっている。
今回発表された「平成29年度東京都名誉都民候補」では、今年国立新美術館で過去最大級の個展「草間彌生 わが永遠の魂」を開催し、10月には新宿区に草間彌生美術館を開館する前衛芸術家・草間彌生がノミネート。顕彰理由として都は「氏は、水玉や網目模様などを用いた独創的かつ個性的な作品を次々と発表し、世界中で大規模な個展を開催するなど、前衛芸術家として長年にわたって活躍している。現在も革新的な芸術表現を求め、時代の最先端を走り続けている姿は、多くの人々を魅了するとともに、広く都民が敬愛し、誇りとするところである」としている。
これに対し草間は次のようにコメント。
この度は東京都名誉都民に御推挙いただきまして、とても感激いたしました。この皆様からの励ましをいただいて、今後も皆様の志に応えるべく、死ぬまで芸術に励んでいきたいと思っております。私は毎日朝から晩まで芸術の制作に命がけで闘っています。私の芸術によって、世界中の人々に希望と感動と愛を与える事が出来ればそれに勝る喜びはありません。心からそう願っております。そして、その私の願いを永遠に受け継いでいって欲しい。これまでの私の芸術の発展に力を貸してくださった多くの皆様に深く感謝しております。
なお、今後は9月に開会予定の都議会定例会に提案された後、議会の同意を得て、顕彰される予定となっている。