五木田智央、その現在形をオペラシティの個展「PEEKABOO」で見る

黒と白のモノクロームを基調とする作品で多くの人々を魅了する画家・五木田智央。その最新作が並ぶ個展「PEEKABOO」が東京オペラシティ アートギャラリーで4月14日にスタートする。

近作が並ぶ展示室

 1969年、東京に生まれた五木田智央は、そのキャリアをイラストレーションから出発した。その作品は、1960〜70年代のアメリカのサブカルチャーやアンダーグラウンド雑誌、写真にインスピレーションを受けており、黒と白のモノクロームを基調とする独特の世界を築き上げてきた。

 本展「PEEKABOO」は、国内の美術館個展としては2014年にDIC 川村記念念美術館で開催された「THE GRATE CIRCUS」以来、4年ぶり。

会場の最初を飾る新作の《Come Play with Me》(2018)

 展覧会は大きく分けて2つのセクションで構成。最初のセクションでは2015〜17年に制作された近作が並び、ここではKAWSや前澤友作が所蔵している作品なども展示されている。すべて五木田が自らセレクトしたもので、代表作が並んでいると言っていいだろう。

近作が並ぶ展示室

 この展示室を抜けると、2018年に制作された作品が迎えてくれる。キャンバスの作品も圧巻だが、展示室の一番奥を陣取るインスタレーションは必見だ。これは、もともと3つに分かれていた作品群(それぞれの作品名はすべて《untitled》)を、1つのインスタレーションとして再構成したもの。800点におよぶ小品を3日間をかけて構成したもので、各小品に描かれた多様なモチーフがこちらに迫ってくるかのような感覚を覚える。

左から新作の《Patient and Doctor》《Nursery Staff》(ともに2018)
3つの《untitled》で構成されたインスタレーション
3つの《untitled》を再構成したインスタレーションの部分

 また、大のプロレスファンである五木田による、プロレスラーをレコードジャケットのフォーマットで描いた肖像画シリーズ「Gokita Records」も出品。200点を超える本シリーズは、2002年から2018年まで継続して制作されたもので、プロレスラーの似顔絵とその名前、そして実在する有名な楽曲タイトルで構成されている。

 まさに五木田智央の現在形が並ぶ本展。ぜひその目で確かめてほしい。

「Gokita Records」の展示風景

編集部

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