本プロジェクトのコンセプトについて、Token Art Centerと柴田祐輔は次のようにコメントを寄せている。
人間が何かを食べる、あるいは食べないという行為には個人的、社会的、文化的、宗教的、哲学的、政治的な様々な力学が働いていて、「どう生きるか」ということと深く結びついている。生活の大部分がアウトソーシングされる渋谷などの大都市においては、大国や大企業などの「大きな力」への従属を強いられる現実がある一方で、例えば近代化や効率化からこぼれ落ちたものを選択し食べるということは、「大きな力」への抵抗となり、生きることの「代替」案を示すことになるのではないだろうか。「続・代替屋」では、食べることを通して生きることのオルタナティブな方法を考えてみたいと思う。このオルタナティブな生き方がオリジナルへと変わるいつかの日を想像しながら。
──プレスリリースより
以下は23年12月墨田区において実施した、今回の「続・代替屋」の前身となるプロジェクト「大衆割烹 代替屋」での記録。




Token Art Centerは、19年より東京都墨田区でアートセンターを運営。コマーシャルでは扱いにくいプロジェクトベースの作品や、インスタレーションを手がけるアーティストの展覧会を積極的に実施。街中の公園や河川、工場、プラネタリウムなどでも展覧会、イベントを企画、開催している。また、ホワイトキューブ以外のスペースでの作品の成立や受容に関心を持ち、社会のなかでの新たな芸術のあり方を模索している。
柴田祐輔は1980年福岡県生まれ。2007年武蔵野美術大学大学院美術専攻版画コース修了。現実世界の曖昧さや不確かさに着目し、映像・写真・オブジェなど様々なメディアを使ったインスタレーションを国内外で発表しており、19年には東南アジア6カ国でビデオに関するリサーチを行った。近年、「大衆割烹 代替屋 -Culture Dish-」(2023、やひろ食堂、東京)、「ニュー本場」(2023、ya-gins、群馬)、「指入鮨」(2022、フィンガーインザスープ、東京)など、食に関係するプロジェクトを行なっている。

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