銀座 蔦屋書店の店内イベントスペース「GINZA ATRIUM」で、岡崎実央、中島健太、Neuronoa、山田啓貴、山本雄教の現代美術家5名によるグループ展「ART NOW→FUTURE」が開催されている。会期は3月6日まで。
参加作家はそれぞれ個性的な画風を持ち、アートの「いま」と「未来」に対する独自の視点を作品に投影している。「ART NOW→FUTURE」というタイトルが示す通り、本展覧会はアートの現在から未来の動向を予測する場となりるだろう。多様な視点、技術、表現が交わり、現代アートの多面的な魅力を存分に味わえる空間のなかで、各作家が取り組んでいる最新の作品を中心に紹介する。
岡崎実央は、プロレスをモチーフとした作品を多く制作している。武蔵野美術大学在学中より創作活動を始め、2019年より約2年間『週刊プロレス』の編集部に在籍していた。現在は、リングの周りを囲む観客それぞれから見たプロレスというエンターテインメントをキュビスムで表現している。
中島健太は女性をモデルにした写実絵画を得意とし、09年と14年に日展の最高賞である特選を受賞。「完売画家」としてメディアでも取り上げられ、テレビではバラエティーやニュース番組にも出演、コメンテーターとしても活躍している。近年は海景を中心とした風景をモチーフに新境地を開拓した。
Neuronoa(ニューロノア)は、世界30カ国以上を放浪しながら、音楽、デザイン、映像などを制作するクリエイターとして活動後、2021年から本格的にアート制作を始めた。「情報社会」をコンセプトの機軸にし、ミュージシャンや俳優などの著名な人物をモチーフにした抽象画を制作。人物の表情をあえて読み取れないようにした表現によって「情報社会」における「真のアイデンティティとは何か」を問う。
山田啓貴は、油絵具とテンペラを塗り重ねる古典的な技法で、思い入れのある身近なものを描く。レオナルド・ダ・ヴィンチの作品をテーマにしたシリーズや、アートフェア東京やアート台北への出品、ロンドン、ベルリンでの展示参加など、国内外で注目と評価を高めている。
山本雄教は、一円硬貨や米粒といった身近な存在を用いて、様々な事物を表現。「すぐそこにあるものこそが、あらゆるものにつながっている」という作家の世界観のもと、日常的な価値観や現代社会とのつながりを見つめ直す。