2022.12.23

アートからデザインまで新たな表現者の集大成が一堂に。多摩美術大学の卒業制作・大学院修了制作展が1月と3月に開催

多摩美術大学の全学科が実施する卒業制作・大学院修了制作展が2023年1月と3月に開催される。会期中は各学科の学部卒業生および大学院修了生の作品が八王子キャンパス内で展示される。

昨年度の「卒業制作・大学院修了制作展」展示風景より、アートテークで行われた美術学部 卒業制作展・大学院修了制作展Aの選抜展
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 多摩美術大学は、卒業制作・大学院修了制作展を2023年1月(A日程)と3月(B日程)の2回に分けて、八王子キャンパスで開催する。

 2023年1月12日~15日のA日程では、日本画、油画、版画、彫刻、工芸、テキスタイルデザイン、環境デザイン、メディア芸術、情報デザインの9学科・専攻・コースが実施。2023年3月13日~3月15日のB日程では、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、芸術学、統合デザイン、演劇舞踊、劇場美術デザインの6学科・専攻・コースが実施する。

昨年度の「卒業制作・大学院修了制作展」展示風景より、統合デザイン学科 北野 歩実《XXXX》

 1月12日~15日のA日程では、9学科・専攻・コースの各研究室からの選抜作品を一堂に展示する「選抜展」を今年も実施するほか、公開講評会や特別授業、ギャラリーツアーなども予定されている。専攻別のポイントを紹介しよう。

 日本画専攻では1月14日10時より「⼤学院2年⽣修了制作公開講評会」をアートテーク1階・2階、絵画北棟03-211・03-212教室で開催する。

 油画専攻では、優秀な卒業生・修了生に対し独自の賞である「福沢⼀郎賞」と「⾠野登恵⼦賞」のふたつを授与している。「福沢⼀郎賞」はかつて本学科で教鞭をとり、 教育者としても数多くの功績を残したシュルレアリズムの画家、 福沢一郎を記念した賞。1996年に創設され、 福沢一郎記念美術財団より卒業生1名に贈られている。

 「⾠野登恵⼦賞」も、福沢と同様にかつて本学科で教鞭をとり、 2014年逝去した画家、 辰野登恵子を記念した賞だ。こちらは16年に創設され、 辰野登恵子の遺族より修了生1名に贈られている。各受賞者は作品のキャプションに記載があるので、鑑賞の際に注⽬したい。

昨年度の「卒業制作・大学院修了制作展」展示風景より、絵画学科油画専攻 遠藤 裕太《Special Thanks Familys》

 版画専攻では、「大学院公開修了審査会」を1月13日10時より実施。本部棟3階 大会議室で大学院2年生の研究成果・論文発表を行い、審査員や会場からの質疑応答を行う。

 また、本展にあわせて特別授業も実施。1月12日13時からは「客員教授秋山伸の特別授業」がレクチャーホールAで、1月13日13時からは「非常勤講師中島佑介の特別授業」が絵画北棟1階 03-112教室。さらに、1月15日13時からは「ゲスト講師岡崎真理子の特別授業」、「客員教授清水穣の特別授業」がそれぞれ絵画北棟1階 03-112教室とレクチャーホールCで行われる。

 彫刻学科は「学部4年生 大学院2年生卒業・修了制作講評会」が1月12日の13時から彫刻学科棟内、アートテーク1階・2階で実施。

 工芸学科も「大学院2年生修了制作公開講評会  博士前期課程工芸専攻」を陶(1月12日13時10分〜)、金属(1月13日13時10分〜)と日程を分けて工芸棟17-301Aで行う。

 テキスタイルデザイン専攻では、1⽉13⽇の14時00分〜15時00分に、⼤学院2年⽣ならびに学部4年⽣の作品展⽰と選抜展を見学する「学内展ギャラリーツアー」を実施。集合場所はテキスタイル棟2階ギャラリーとなっている。

 環境デザイン学科は企画、図面、模型、インスタレーション、映像などの多様な作品を展示。それぞれの分野を横断して環境デザインを学んだ学生の集大成が見どころだ。

昨年度の「卒業制作・大学院修了制作展」展示風景より、工芸学科 村越 敬太 《ヨウソロ》 陶

 メディア芸術コースは、1月14日の16時30分~18時にゲスト講師を迎えて、卒業制作から見えてくる未来のメディア芸術や、学生の作品を起点に何が期待できるのか、といったテーマで講評会とトークショーを行う。

 このほかにも、学生たちが自主的に企画した学科独自の展示や、個人・グループによる展示などを含む「学外展」も、都内および神奈川県内のアートスペース各所で行われる予定だ。これから社会へ羽ばたく新たな表現者たちの集大成を、この機会に目の当たりにしたい。