アキバタマビ21は多摩美術大学が作家活動支援を目的として2010年にオープンしたオルタナティブ・ギャラリースペース。アーツ千代田3331の2階にある。同スペースでは、年におよそ8回の展覧会を開催しており、これまで400名を超える作家が参加してきた。
その特徴は作家の自己プロデュースによるグループ展を基本としているところだ。展覧会運営費を支給したうえで、広報物・アーカイブの作成のほか、作家・批評家などゲストを招いてのシンポジウムやトークショーの開催も義務づけている。これは作家自身が展覧会や設けたテーマについて、言葉で振り返る機会を持たせることを意図した取り組みだ。
土着的な祝祭空間を展示室内に大胆に構成した、オル太による「萌える山田とねこまんま」でグランドオープンを迎えた同スペース。近年では砂山太一企画、情報時代の認識のありようを問う「フィットネス . 」展や、鈴木飛馬、平敷萌子、水上愛美、安原千夏による「What the f*** is happening in this Riv. 行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」展などを開催。毎回展示の様相は大きく異なるが、それぞれ作家の関心をストレートに反映した意欲的な展覧会が続いている。
この6月にはウェブサイトをリニューアルし、これまでの展覧会アーカイブにアクセスしやすくなったほか、新たにアーティストページが追加された。作家単位でのインデックスであるだけではなく、出品作家の最新活動も紹介し継続的な支援を行っていくという。
なお、6月15日からは、短編アニメーションの上映・展示「ANIME SAKKA ZAKKA anthology」が開催される。「ANIME SAKKA ZAKKA」は短編アニメーション作品とそれを制作した作家の魅力を伝えることを目的として、13年5月に多摩美術大学卒業生を中心に発足したプロジェクト。今回は参加作家6名が「ある日(One day)」という共通テーマのもとに制作した完全新作のみで上映会を実現、作品制作の過程も公開する。若手作家たちの創作に触れながら短編アニメーションの魅力を掘り下げるという意欲的な企画だ。
様々な展覧会の開催やイベントを通じて作家たちを支援しているアキバタマビ21。今後の活動にも注目したい。