ホテルロイヤルクラシック大阪が宴会場を活用したギャラリー展開。オープニング企画展や草間彌生の作品展も開催

2019年12月に開業したホテルロイヤルクラシック大阪が、宴会場「日和」を平日限定のギャラリーとしての展開をスタート。ギャラリーのオープンを記念し、草間彌生の作品展や新進アーティストのグループ展を予定している。

ホテルロイヤルクラシック大阪5階の宴会場にオープンした「ギャラリー日和」の様子。ホテルならではのカクテルパーティーから始まる展示会も

 大阪・難波の中心で地元の人々に愛され続けた新歌舞伎座。 村野藤吾設計の唐破風(からはふ)の屋根を配したこの文化的建築物が幕を閉じたのは2009年。10年後、世界的建築家・隈研吾が村野の新歌舞伎座の外観を継承し、新たにホテルとして設計・誕生した「ホテルロイヤルクラシック大阪」

 たんなるホテルとしてではなく、「ホテル&ミュージアム」というコンセプトのもとに設計されたこのホテルが、そのコンセプトに応えるべく、11月8日より宴会場 「日和」を平日限定のギャラリーとしての活用・販売をスタートさせた。この「ギャラリー日和」は、5階・東側に位置し、窓やテラスからは御堂筋を一望できる。 隈のアイコニックなアルミフィンが天井を覆う、カジュアル感あふれるスペースとなっており、この開放感あふれる空間が、作品の持つ魅力をさらに引き立てる。

「ギャラリー日和」の展示風景より
「ギャラリー日和」の展示風景より

 この「ギャラリー日和」のオープン企画展と平行して、草間彌生の作品展を 2023年1月15日まで開催。1982年の《自画像》や版画の代表作である《かぼちゃの神様》《ダンスかぼちゃ》などのほか、ブロンズの《靴》やリモージュのかぼちゃなど、合計25点の作品が展示・販売されている。

 また、オープン企画展の一環として、「ニューCLASSIC〜アートの魅力 時をつなぐ、時を超えて」展が3期にわたって開催。開業当初よりの同ホテルのコンセプト「つなぐ。」をもとに、大阪で生まれ、大阪の人々に育まれてきた「文楽」をテーマにした展覧会となった。

「ギャラリー日和」の展示風景より
「ギャラリー日和」の展示風景より

 今年11月に開催された切り絵作家・杉江みどりと版画家・木村光佑の個展を経て、2023年1月17日〜20日に行われる3期目では、内藤晶(アート書家)、Samille(さみぃゆ、ファッションイラスト作家)、chitose chitose(イラストレーター)、深尾竜騎(イラストレーター)といった4人の新進アーティストの作品が紹介される。

 2年の雌伏の時を経て、「ホテル&ミュージアム」の新しい試みに取り掛かったホテルロイヤルクラシック大阪。2025年には大阪万博が開催され、大阪が世界の脚光を再び浴びる好機になる。さらに31年には関西国際空港から京都までアクセスできる地下鉄「なにわ筋」線が開通、ホテルロイヤルクラシック大阪の西隣にはその新駅が開設されることにより、利便性がさらに向上する。

 「つなぐ。」をテーマに運営されるこのホテルが、今後10年をかけて、大阪「なんば」から世界への魅力あふれるアートの発信拠点として育つのを注目してほしい。

編集部

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