ズームがさらなる問いを駆り立てる。没入型オンライン鑑賞サービス「ZOOOOOM ART MUSEUM」がスタート

ひとつの美術作品にズームすることで、家にいながら作品の鑑賞や画家の作品へのこだわりを知ることができるという新しい没入型オンライン鑑賞サービス「ZOOOOOM ART MUSEUM(ズーム アート ミュージアム)」がスタートする。

 ニューノーマル時代の新しいアート鑑賞体験として、没入型オンライン鑑賞サービス「ZOOOOOM ART MUSEUM(ズーム アート ミュージアム)」の事業検証が始まる。

 キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)と博報堂が共同で行う同サービスは、「神は、細部に宿る。」をコンセプトに、ひとつの美術作品にとことんズームすることで、家にいながら画家の作品への並々ならぬこだわりを知ることができるという新しい没入型オンライン鑑賞体験を提供するもの。

 6月に実施される2回の事業検証イベントにおいては、公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館の協力により、ベルト・モリゾ《バルコニーの女と子ども》(6月6日18:00~18:30)とポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》(6月18日14:00~14:30)の2作品についてオンラインで配信予定となっている。

ベルト・モリゾ バルコニーの女と子ども
ポール・セザンヌ サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール

 キヤノンMJのスペシャルサイトより申し込みのうえ、イベントに参加することができる。キヤノンの最新イメージング技術を搭載したカメラで撮影された作品のタッチや線の繊細さ、色使いや陰影のつくり方などのディティールが楽しめるほか、出演者からは、画家が影響を受けた人物や当時の時代背景、学芸員の研究成果なども同時にライブ配信される。参加者とともに考察することで、オンラインだからこそ実現できる新たなスタイルの鑑賞体験を目指すという。

 解説配信の企画や演出に携わった田尾圭一郎(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、「情報や解説をただ提供するのではなく、むしろ視聴者の問いや探究を誘発できるように企画しました。この1、2年でオンライン美術鑑賞は増えましたがそのなかでも、イメージング技術のキヤノンと、生活者発想でクリエイティブを発信し続ける博報堂らしい企画になったと思います」と、同サービスのオリジナリティについてコメントしている。

 これらのイベントで得られた鑑賞者のニーズを踏まえ、今後はオンライン鑑賞ならではの体験価値を創出すると同時に、西洋美術だけでなく日本美術や彫刻、建造物といったあらゆる芸術作品における鑑賞体験を模索し、年内のβ版リリースを目指す。将来的にはインバウンド向けの展開や教育コンテンツとしての展開など、文化芸術作品の価値を高めていく構想となっている。

 芸術作品をオンラインで鑑賞するだけでなく、作品に込められた作家の想いやメッセージを参加者とともに考察する同サービス。新たな試みに注目だ。

編集部

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