既成の概念に縛られることなく、素材と題材をまったく新しい切り口で見せる唯一無二の作品を募集することを目的に、昨年初めて開催された新たなアワード「muni Art Award」。その2022年度の募集が、2月1日にスタートする。
募集対象は、絵画、立体作品、インスタレーション、デジタルアートなどの形式を問わず、他の公募展や個展、グループ展に出品していない未発表のアート作品。審査では、作品、ポートフォリオや自己PRに加え、Instagramなども参考に審査員が議論を重ねて決定する。
審査員を務めるのは、池永康晟(画家)、諏訪敦(画家)、土方明司(川崎市岡本太郎美術館館長)、井浦歳和(ロイドワークスギャラリー、ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~統括プロデューサー)、小暮ともこ(GALLERY KOGURE)、高島匡夫(ギャラリー紅屋)、田中千秋(ぎゃらりい秋華洞)の7名。最終審査は面談形式で行い、作品や制作に対する考え方なども作家と直接対面し意見交換のうえで決定する。
グランプリ(1名)は作品を100万円で買い上げるほか、国内外複数のフェアでの作品発表や、「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」へのテレビ出演、ぎゃらりい秋華洞での個展開催などの権利が与えられる。また、準グランプリや審査員賞も数名選出される。
なお、ファイナリストや各審査員賞受賞者の作品を展示する展覧会「muni Art Award 2022展」が11月中に開催され、来場者の投票によるビューワー賞も設けられる予定だ。
このアワードを主催する秋華洞の社長・田中千秋は、「既存の美術の枠を越えたところに出てきたはずの現代アートの世界でも、ともすれば『現代アートとは、こういうものだ』というステレオタイプにとらわれがちではないでしょうか?そういった観念的な縛りや無用なカテゴリ分けを超えた所に新しいアートが広がるのではないかと思います」と期待を寄せている。
審査員が真剣に作家と作品に向き合い、アートの世界に変化をもたらす次世代のスターを発掘するこのアワードにはどのような作品が集まるのか。注目したい。