アーティストが企画から出品までを行うという独自のシステムで注目を集める京都のアートフェア「ARTISTS' FAIR KYOTO」が、2020年2月に3回目の開催を迎える。
同フェアは、京都造形芸術大学教授でアーティストの椿昇がディレクションを担当。「Frieze(フリーズ)」などのグローバルな垂直型アートフェアを補完する、「地産地消の日本独自の水平型のマーケット育成を目指した取り組み」として2018年にスタートした。来場者数は、初回が3092人、前回が5512人。販売実績は、前回が初回の倍の契約数を記録するなど、着実にその数を伸ばしている。
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次回のフェアでは、加藤泉や金氏徹平、塩田千春、名和晃平、宮永愛子、ヤノベケンジといった第一線で活躍するアーティストたち19 組がアドバイザリーボードとなり、それぞれが作家を推薦する。参加作家の数は、アドバイザリーボードからの出展も加えると63組。これは過去最多の数だ。ペインティングからテクノロジーを駆使したインスタレーションまで、多種多様な表現手法の作品が一堂に会する。
メイン会場となるのは、京都府京都文化博物館 別館と、前回から新たに加わった京都新聞ビル地下1階。会場デザインは3年連続でdot architects(ドットアーキテクツ)が手がける。
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また、サテライトイベントとして行われる「ARTISTS’ FAIR KYOTO2020:BLOWBALL」にも注目したい。
こちらは、街中にあるホテルや店舗が作品展示・販売の会場となるもので、BnA Alter MuseumやKYOTO ART HOSTEL kumagusuku、下鴨茶寮、スプリングバレーブルワリー京都、ワコールスタディホール京都など、前回同様の会場に加え、新たにAIR賀茂なす、Gallery PARC、GOOD NATURE STAITION、庵町家ステイといったスペースが参加。
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例えばAIR賀茂なすでは、現代の日本画を問い続ける品川亮の個展「GOLD, WHITE, AND BLACK」を開催。またBnA Alter Museumでは、京都を拠点とする若手ディレクター3名による、市場をオルタナティブに思考するアートマーケット「スーパーマーケット “アルター”市場」に10名以上の作家が出品予定。Gallery PARCでは、カメラを用いて、歴史、風景、人間との対話を軸に作品制作を行う大河原光、志村茉那美、白井茜の展覧会「表層と深層」を行う。
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独自のエコシステムで若手アーティスト支援の場として機能してきたARTISTS’ FAIR KYOTO。「アートを買うこと」へのアクセシビリティを高めようとするこの試みを、ぜひ目撃してほしい。