NEWS / PROMOTION - 2019.3.17

川島小鳥や金氏徹平らも参加。注目のスポット、那須塩原で「アート369フェスティバル」が開幕

個性的なショップが多数集まるエリアとして注目を集めている栃木県那須塩原市の黒磯。ここで初となるアートイベント「アート369フェスティバル」が開幕した。川島小鳥や金氏徹平など6名のアーティストが作品展示やワークショップを行うこのフェスティバルの見どころをお届けする。

金氏徹平と川島小鳥の展示会場

 東京都心から日帰りで行ける観光スポットとして、昨今注目を集めている那須塩原市の黒磯エリア。個性的なショップが多数集まるこのエリアを舞台に、「アート369フェスティバル」がスタートした。

 アートで地域を盛り上げる「アート369プロジェクト」の一環として開催されたこのフェスティバル。アート369とは、黒磯駅周辺から板室温泉まで伸びる板室街道(県道369号)と、那須塩原市の特産品・牛乳(ミルク=369)から名付けられた。那須は明治時代、広大な複合扇状地・那須野が原を開墾し、大規模農場として拓かれた歴史を持つ。今回が初回となるこのフェスティバルではテーマを「その先の風景」とし、黒磯駅周辺を会場に、那須塩原市民、県内外からの来場者、参加アーティストと、すべての参加者がイベントを通して「新しい風景」を見つけることを目指している。

メインビジュアル

 会場はすべて黒磯駅から徒歩圏内にあり、街を散策しながら展示を楽しめるのが大きな特徴だ。

 まず黒磯駅に着いたら、駅前にあるパン屋「KANEL BREAD」と、隣接するカフェ「Iris bread & coffee」へ。

左から、「Iris bread & coffee」「KANEL BREAD」

 100パーセント国産小麦とライ麦を使用したパンで人気の「KANEL BREAD」と、そのパンを食べられるカフェ「Iris bread & coffee」。

 このパンのいい香りに包まれた店内に作品を展示しているのは、日常風景の何気ないモチーフを油彩で表現する今井麗だ。今回、今井は展示場所の日当たりの良さから、朝食をイメージした作品を制作。明るさを感じられる作品19点が、「KANEL BREAD」と「Iris bread & coffee」の店内に並ぶ。

今井麗の作品が展示してあるKANEL BREADの店内

 この「KANEL BREAD」から徒歩数分の場所にある「カネルブレッドギャラリー(KANEL BREAD工房)」では、写真作品とワークショップを楽しみたい。

 雑誌・広告を中心に数々の媒体で活躍する地元出身の写真家・後藤武浩は、この展示で初めて那須を写した作品を発表。モチーフとなったのは、板室街道を山に向かっていく途中で見つけた那須の自然。「那須に住んでいた頃は、この土地で『色』を感じたことがありませんでした。でも唯一、西日の燈色だけは記憶に残っていた」。後藤はそんな過去の光の風景を作品として再構築したのだという。なお後藤の作品は、1席しかないユニークな美容室「salon Chiune」でも展示。こちらもあわせてチェックしてほしい。

「カネルブレッドギャラリー」の展示風景
salon Chiune
「salon Chiune」の展示風景

 いっぽう「1人でやらない」をモットーに、身の回りの慣習やルールなどを遊びに置き換える活動を多数行ってきた中島佑太は、来場者の「安全」で「楽しい」旅のルートとルールを提案するというワークショップ「トラベル受付センター」を展開。「会場を周るルートが少し違って見えるようなきっかけをつくれればいいですね」と語る。ワークショップは会期中の3月16日、17日、23日、24日に実施される。

中島佑太

 黒磯の代名詞的存在であるカフェ「1988 CAFÉ SHOZO」。つねに賑わうこのカフェに来たら、その隣にあるギャラリースペース「トナリギャラリー(1988 CAFÉ SHOZOのトナリ)」を覗いてほしい。ここでは、現代美術家・金氏徹平と写真家・川島小鳥のコラボレーション「半透明になるために」を見ることができる。

1988 CAFÉ SHOZO

 様々な文脈にある既成の物やイメージを特定のルールによって収集し、コラージュ的手法で構成する金氏。このコラボレーションで金氏は、川島がこれまで撮影してきた写真を「不在」「オブジェ化」「死体化」などに分類。会場には金氏が選んだ様々な既製品が置かれており、来場者はそれを使って、川島の写真を真似て写真を撮ることができる。子供にも人気のスポットだ。

「半透明になるために」の会場風景

 「トナリギャラリー」の次は、アンティーク雑貨も扱う花屋として地元で人気の「Dear, Folks & Flowers」へ。

 国内外の色とりどりの花が鮮やかな店内には、今回のフェスティバルのメインビジュアルを手がけた惣田紗希の作品が展示されている。「那須で感じた風が印象的だった」と語る惣田が描いた作品は、どれも風を感じられるものばかり。なかでも、花と鳥のモチーフが対になった作品は、布を支持体にすることで揺らめき、どこまでも軽やかな印象を与えている。

「Dear, Folks & Flowers」の展示風景
「Dear, Folks & Flowers」の展示風景

 アート369フェスティバルは参加作家数が6名と、規模は決して大きくはない。しかしそれゆえに、様々なショップを巡りながら気軽に作品を鑑賞できる。どの作品も会場に自然と馴染むいっぽう、黒磯の街に新しい風を運んでいると言えるだろう。街中にはまだまだ展示会場となりうる場所が多数点在しており、次回以降のさらなる発展が期待される。