手数料込み2億3630万ドルという価格は、2017年に4億5031万2500ドルで落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチ《サルバドール・ムンディ》に次ぐオークション史上2番目の高額落札である。
また、2022年にクリスティーズで落札されたアンディ・ウォーホル《Sage Shot Blue Marilyn》(1億9500万ドル)を上回ったほか、これまでクリムト作品の最高記録で、2023年にサザビーズ・ロンドンにて8530万ポンドで落札された《うちわを持つ婦人》(1917)も大きく更新した。さらに、サザビーズが取り扱った全作品のなかでも史上最高額となり、近代美術のカテゴリーでも新記録を樹立した
《エリザベート・レーデラーの肖像》には波乱の来歴も刻まれている。ナチスによるオーストリア併合後の1939年に作品は没収され、戦後の1946年に遺族へ返還された。その後、ドイツ系移民の美術商セルジュ・サバルスキーの手に渡り、1980年代半ばに実業家ロナルド・ローダーが取得し現在に至る。こうした歴史的背景は、作品価値をさらに高める要因ともなった。
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