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淘汰時代の足音。重なる戦争不安、中国の不動産バブル崩壊、円安の影響を受けたSBIの秋季オークションを振り返る

SBIアートオークションは、10月27日と28日に代官山ヒルサイドフォーラムにて「Modern And Contemporary Art」セールを開催した。2日間にわたるセールの主要な落札結果をまとめてレポートする。

文・写真=塚田萌菜美

下見会の展示風景より

 SBIアートオークションは、10月27日と28日に代官山ヒルサイドフォーラムにて「Modern And Contemporary Art」セールを2日間連続で開催した。長期化するウクライナ戦争のみならず、イスラム組織ハマスに端を発したイスラエルとガザ地区間の大規模攻撃という政治的・社会的情勢の変化に加え、中国の不動産バブル崩壊による景気不安が重なり、昨年よりもさらに円安も進んだ2023年の秋季オークションの結果をレポートする。

下見会の展示風景より、左上の黄色い作品が鬼頭健吾《cosmic dust - gold》(2007)

 初日は、若手・中堅作家のオリジナル作品と有名作家のエディション作品からなるラインナップ構成による競りが繰り広げられた。多くはエスティメイト価格内で収まる平均的な売れ行きであったが、うち数点は高額落札となったものがあった。

 この日もっとも高い伸び率を記録したのが、ロット015の鬼頭健吾とロット008の品川亮である。いずれもエスティメイト上限の4倍を超え、それぞれ210万円と140万円での落札となった。

 そうした好調な結果を残す作品があるいっぽうで、不落札の作品もちらほら見受けられた。どの作品もその作家にとっては代表的ではない絵柄であったり、一般家屋に収まりにくい大型サイズであったり、エディションであったりする傾向が見られた。

SBIアートオークションWebサイトより、アンディ・ウォーホル《Anniversary Donald Duck (F. & S. ⅡA.360)》(1985)

 初日のやや不穏さが漂う雰囲気から一転、2日目はアンディ・ウォーホルなど手堅い海外コンテンポラリーの売れ筋作品からスタートした。

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