アートマーケットが世界的に盛り上がりを見せるなか、東京に新たな現代アートのフェアが誕生することが明らかにされた。
「TOKYO GENDAI」と題されたこのフェアは、「台北當代(タイペイダンダイ)」など、様々なアートフェアを手がけてきた「The Art Assembly」が主催するもの。The Art Assemblyのマグナス・レンフリューとのパートナシップのもと、フェアディレクターはGoogle Arts & Cultureで日本担当を4年間担ったEri Takaneが務める。初回は2023年7月7日〜9日の開催を予定しており、会場はパシフィコ横浜だ。
Takaneは開催に際し、「Tokyo Gendai 国際アートフェアを通し、世界中の人が集い、アイデアを共有し、新しい未来をつくる礎にしたいと思います。このアートフェアが、東洋と西洋のギャラリーをつなぎ、多くのコレク ターやビジターにとって現代アートの新たな発見、そして日本文化の新しい発見にもつながりますように、と願っています」とのコメントを寄せている。
またレンフリューは「東京のアートシーンのエネルギーを反映するようなフェアを構築すること、そして世界のアートシー
ンとより強いつながりを持つ躍動的な機会となるよう尽力します」と意気込む。
TOKYO GENDAIはのテーマはその名の通り「コンテンポラリー(現代)」だ。出展者は世界80ヶ所から約100の主要ギャラリーが予定されているという。フェアは主要ギャラリーが集結する「Galleries」、新人または中堅1~2 名のアーティストの作品を展示する「Hana」、著名な/歴史的に重要なアーティスト1名~2名もしくはテーマに基づく、またはキュレーションされた展示となる「Eda」、そしてNFTやアニメーション、映画、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)などデジタルメディアを中心とした展示「Tane」の4セクションで構成される。
出展者はセレクションコミッティ(選考委員会)の審査によって選ばれる座組となっており、選考委員会はティム・ブラム(「Blum & Poe」共同創設者)、マーク・グリムシャー(「Pace Gallery」CEO兼プレジデント)、ジョン・オドハティ(「Sadie Coles」ディレクター)、黄亞紀(「Each Modern」創設者)といった国際的にも影響力のあるキーパーソンらが務める。
ティム・ブラムは「30年以上日本で暮らし、仕事しているなかで、一般的に日本のあらゆるかたちの芸術が世界に大きな影響を与え続けていると確信しています。日本のコレクターが徐々にではありますが着実に増えてきていること、日本の美術作品が幅広く世界に展開されていることを考えると、そろそろ一流のグローバルなコンテンポラリーアートフェアを開催するに相応しい時期ではないかと感じています」と期待を寄せる。
またマーク・グリムシャーは「日本は、これまでもこれからも、世界のカルチャーシーンの重要な国のひとつです。そして今、卓越したコレクターのコミュニティとしての地位を取り戻す時期にあり、『Tokyo Gendai』をランドマークとして確立させることが次のステップとなります」と、このフェアの重要性を訴えている。
なおフェアにはアドバイザリーボードとして森佳子(「森美術館」理事長)、田口美和(「タグチアートコレクション」共同代表)、高橋龍太郎(精神科医、現代アートコレクター)、大林剛郎(株式会社大林組 代表取締役会長)、ハワード&シンディ・ラコフスキー夫妻(コレクター)といった著名コレクターらが名を連ねる。
マーケットも盛り上がりを見せ、フェアの数も増加傾向にある日本。そのようななかで、世界のアート界とつながるTokyo Gendaiがもたらすインパクトは決して小さくないだろう。