アートフェア東京を運営する一般社団法人アート東京による「日本のアート産業に関する市場調査」。その2021年の調査結果が発表された。
6年目となる「日本のアート産業に関する市場調査」は、インターネットでのアンケート調査を昨年8月20日〜23日に行い、有効サンプル数2万4959(*1)を得た。
まず、日本国内のアート産業全体の市場規模は「美術品市場(古美術や洋画・彫刻・現代美術など)」「美術関連品市場(グッズやカタログなど)」「美術関連サービス市場(美術館入場料や芸術祭消費額など)」の3つの総計で算出。合算額は2781億円となり、3197億円だった昨年の調査と比べて13パーセント減と、2年続けての減少となった。
2021年の古美術や洋画・彫刻・現代美術などの市場を対象とした「美術品市場」は2186億円で、2020年の2363億円から7パーセントの減少となった。
販売チャネルを見てみると、国内事業者からの購入額1868億円(前年の3パーセント減)のうち、画廊・ギャラリーからの購入額は857億円と、前年の28パーセント増となった。いっぽうで百貨店からの購入額は507億円と前年の25パーセント減となり、明暗が分かれた。前年の調査では百貨店からの購入額が画廊・ギャラリーからの購入額を上回ったものの、今回の調査ではふたたび画廊・ギャラリーが逆転したかたちとなる。
なお、国外事業者からの購入額は68億円と、前年の168億円から大幅に減っており、これも新型コロナウイルスの影響と思われる。
*1──政府統計をもとに、性、年代、職務状況(有職/無職)、年収(有職者は個人所得、無職者は世帯所得)を日本全体の分布に近いかたちで割付