アート・バーゼルとUBSが毎年発表している「The Art Basel and UBS Global Art Market Report」。昨年の世界美術品市場を分析する2022年版が公開された。
今年のレポートは、美術品市場を調査・分析する会社「Arts Economics」がディーラー、オークションハウス、コレクター、アートフェア、美術・金融データベースなどから収集して分析したデータに基づいて作成されたもの。コロナ禍が世界の美術品市場の様々な分野に及ぼした影響を継続的に分析しながら、今年は初めてNFTについても調査している。
強い回復力を示した2021年の世界美術品市場
昨年の世界美術品市場は2020年の10年ぶりの大不況を経て力強く回復し、総売上高は前年比で29パーセント増の651億ドル(約7兆9800億円)に達し、コロナ前の19年の規模(644億ドル)を上回ると推定されている。
国別の市場シェアでは、アメリカが43パーセントで圧倒的な首位を維持。中華圏は20パーセントで2位を維持し、イギリスは17パーセントで3位に後退した。
アメリカ市場は堅調に回復し、総売上高は前年比で33パーセント増の280億ドル(約3兆4300億円)以上となった。中華圏も35パーセント増の134億ドル(約1兆6400億円)と大幅な伸びを示し、イギリスは前年比14パーセント増の113億ドル(約1兆3800億円)となった。また、フランスは前年比で50パーセント増の47億ドル(約5800億円)となり、過去10年間で最高の売上高を記録した。