東京・銀座の老舗画廊「ギャラリーせいほう」が、NFTを活用した企画を開催すると発表した。
「ギャラリーせいほう」は日本で数少ない現代彫刻専門の画廊で、1975年に銀座に出店。以来、彫刻の販売、彫刻展の企画、モニュメントの制作、胸像・銅像の制作などを行ってきた。
同画廊は今回、彫刻家・小井土滿の個展「脳内日記と鉄水墨」の開催に伴い、来場者全員に作家オリジナル「銀座アイコンNFT」が贈呈する。
「脳内日記」は小井戸が40年前から自身の日記として描き溜めた作品シリーズ。白黒の鉄での制作をしていくなかで、色への欲求から鉄とは相反する色彩豊かなイメージを日々描くようになったものだ。いっぽうの「鉄水墨」はおもに自然を題材とし、小井戸が海外を旅して五感で感じた自然を、硬い彫刻で柔らかく表現することを追求しシリーズだ。
この「脳内日記」について、希望者にはNFTもセットで販売。また、展示会後には仮想空間上での作品展開も行う。
「ギャラリーせいほう」は、老舗画廊がNFT作品を取り扱ういことについて、次のようにリリースを発表している。「昨今、大型な企画展とは異なり、老舗画廊への訪問はハードルが高く、特に若者離れが顕著となっています。さらにコロナにより来場者が減ってしまい、アートや作家と触れ合える機会が減少。そこで、作家が常にいる画廊にて、アートと作家に触れ合える画廊の良さを感じてもらうために、老舗画廊にてNFTとメタバースを活用した企画を開催することになりました」。
銀座や京橋には古くから多くの画廊があるが「ギャラリーせいほう」のように若者離れに苦心している画廊は少なくない。そうした意味において、NFTが老舗画廊の活路を開くものとなるのか、注目に値するだろう。