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予想落札価格は約241億円。アンディ・ウォーホルの《マリリン》が競売へ

アンディ・ウォーホルの代表作のひとつである《Shot Sage Blue Marilyn》(1964)が、5月にクリスティーズ・ニューヨークのオークションに出品される。予想落札価格は2億ドル(約241億円)。

アンディ・ウォーホル Shot Sage Blue Marilyn 1964 (C) 2022 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Licensed by Artists Rights Society (ARS), New York

 20世紀の美術史においてもっともアイコニックな作品のひとつであり、アンディ・ウォーホルの代表作のひとつである《Shot Sage Blue Marilyn》(1964)が、5月にクリスティーズ・ニューヨークで開催されるオークションに出品される。予想落札価格は2億ドル(約241億円)で、落札されれば20世紀の作品としては史上最高額となる。

 同作は、スイスのトーマス・アンド・ドリス・アマン財団から出品されるもの。すべての収益は、医療と教育プログラムを中心とした世界中の子供たちの生活向上を目指す同財団の取り組みに充てられるという。

 同財団の理事長であるゲオルク・フライは声明文で、この作品について次のように評している。「この壮大なポートレートは、人物とスターを分離している。マリリンという女性は消え去り、彼女の生と死に関する恐ろしい状況も忘れ去られた。残るのは謎めいた微笑みだけであり、その微笑みはもうひとりの謎めいた貴婦人、モナ・リザと結びついている」。

 クリスティーズの20世紀・21世紀美術部門長のアレックス・ロッターは、「アンディ・ウォーホルの《マリリン》は、アメリカン・ポップの最高峰であり、楽観主義、儚さ、セレブリティ、アイコノグラフィーを同時に内包する、アメリカン・ドリームの約束だ」としつつ、次のように述べている。

 「この作品は、アメリカにおける肖像画というジャンルを超え、20世紀の芸術と文化を凌駕している。ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》、ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》、ピカソの《アヴィニョンの娘》と並び、ウォーホルの《マリリン》は史上最高の絵画のひとつであり、この傑作をオークションで公開することは、世代を超えても一度のチャンスと言えるだろう」。

 Artnet Newsによれば、同作は赤やオレンジ、ターコイズブルーのバージョンも含む5つの絵画シリーズのうちのひとつ。トーマス&ドリス・アマン兄妹は40年ほど前、コンデナスト社の元名誉会長で大コレクターのサイ・ニューハウスから購入したという。

 1998年、ニューハウスはオレンジ色のバージョンをオークションで、600万ドルの最高予想落札価格に対して1730万ドルで落札。2017年にニューハウスが亡くなった後、億万長者のヘッジファンドマネージャー、ケン・グリフィンがその作品をプライベートセールで約2億ドルで購入したという。

 ロッターは作品披露の記者会見で、「このような絵がオークションに出るたびに、ウォーホルだけでなく、アート市場そのものを変えてしまう」と語っている。

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