11月15日、現代イギリス美術を代表する巨匠、デイヴィッド・ホックニーの代表作である《芸術家の肖像画―プールと2人の人物―》がオークションハウス・クリスティーズニューヨークの戦後・現代美術セールに登場。推定価格は8000万ドル(約90億円)であり、現存アーティストとして過去最高額となることが予想されている。
スイミングプールの輝く水と、2人の人物が描かれた作品などで知られるホックニー。そのなかでも「芸術家の肖像画」は作家を象徴する、もっとも有名な作品のひとつだ。同作を含めたホックニーの世界巡回回顧展は2017年から18年にわたって、テート・ブリテン、ポンピドゥー・センター、メトロポリタン美術館で開催され、大好評を博した。
本作について、アレックス・ロッター(クリスティーズ、戦後の美術・コンテンポラリーアート部門チェアマン)は「理想的なプールサイドの光景、極めて複雑な人間関係の本質が堂々と描かれたキャンバスは、ホックニーのアーティストとしての輝きを存分に示しています」とコメントしている。
2015年に現存アーティストの過去最高額を記録した、ジェフ・クーンズの《バルーン・ドッグ(オレンジ)》(約65億円)をはるかに上回る額で落札が予想されるホックニーの作品。今回どこまで数字を伸ばすのか、注目したい。