この冬、建築家でデザイナーのエマニュエル・ムホーが生み出す色鮮やかなクリスマスツリーが、表参道ヒルズに登場する。
1996年より東京を拠点に活動するムホーは、東京の「色」と街並みが持つ複雑なレイヤーと、日本の伝統的な「仕切り」から着想を得て、色で空間を仕切る「色切/shikiri」をコンセプトに、様々なプロジェクトを手がけている。近年では、2017年1月に国立新美術館の「開館10周年記念ウィーク」で発表したインスタレーション《数字の森》が記憶に新しい。
ムホーにとって初となる今回のクリスマスイルミネーションは、中央に70センチメートルの三角錐を重ねた、高さ約7メートルの白いツリーをメインに、周囲の空間を100色からなる約1500本のミニツリーで埋め尽くすというもの。30分ごとに行われる特別演出では、音楽に合わせてメインツリーが様々な色に変化し、ミニツリーと連動して光り、幻想的な世界観を演出する。
ムホーはこの試みについて、「表参道は、ケヤキ並木や代々木公園など『緑』が印象的だと感じるため、吹抜け大階段に『森』をつくろうと思いました。幅の狭さに対して奥行きのある空間なので、同時に100色が見えるように調整することが難しいですが、表参道ヒルズの特徴であるスパイラルスロープをぐるぐる歩き回りたくなるような、立っている位置によって色風景が変わるインスタレーションにしたいと思っています」とコメントしている。