岩松了が平均年齢78歳の「さいたまゴールド・シアター」とともに描く「福島」

故・蜷川幸雄によって立ち上げられた高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」が新作『薄い桃色のかたまり』を上演する。劇作家や俳優として活躍する岩松了による書き下ろしで、演出も岩松がつとめる。公演日程は9月21日から10月1日。

『薄い桃色のかたまり』メインビジュアル © SACO

 「さいたまゴールド・シアター」は、故・蜷川幸雄が2006年に彩の国さいたま芸術劇場監督就任後、第一に取り組むべき事業として立ち上げた高齢者演劇集団で、国内はもとより、海外でも積極的に公演を行ってきた。今回上演される『薄い桃色のかたまり』は、さいたまゴールド・シアターにとって6年ぶりの新作公演となる。

さいたまゴールド・シアター © 宮川舞子

 本作は、劇作家や演出家、俳優として活躍する岩松了による、「福島」をテーマにした書き下ろし。蜷川幸雄とのタッグ『船上のピクニック』(07年)や『ルート99』(11年)に続く3作目となり、今回は、蜷川の遺志を引き継いで、演出も岩松がつとめる。

岩松了

 タイトルの『薄い桃色のかたまり』は、取材を行った福島県富岡町の「夜の森」地区で見た桜から着想を得たもの。この桜並木の大半は現在、帰還困難区域に指定されている。

 第1回公演『船上のピクニック』から10年、「自分の演劇を壊すものと出会えそう」と語る岩松が、平均年齢78.0歳の演者たちとともに「福島」を描く。

第1回公演『船上のピクニック』 2007 © 宮川舞子

編集部

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