《スラヴ叙事詩》が全点集結!
六本木で大スケールのミュシャ展

アール・ヌーヴォーを代表するチェコの芸術家、アルフォンス・ミュシャ(1860〜1939)の大規模な展覧会「ミュシャ展」が、国立新美術館(東京・六本木)で開催される。会期は2017年3月8日〜6月5日。

アルフォンス・ミュシャ スラヴ叙事詩「原故郷のスラヴ民族」 1912 プラハ市立美術館蔵 © Prague City Gallery

 優美で装飾的な作風で国内でも人気の高いミュシャは、チェコ(旧オーストリア領モラヴィア)で生まれ、ウィーンやミュンヘン、パリで無名時代を過ごした。34歳のときに女優のサラ・ベルナールが主演した舞台「ジスモンダ」のポスターを手がけたことで一夜にして有名になり、時代の寵児に。華やかな女性像のポスターや装飾パネルなどの傑作を次々に生み出した。

 ポスターなど商業美術のイメージが強いミュシャだが、本展の最大の見どころは、チェコとスラブ民族を愛した彼が晩年の17年間を捧げた油絵の連作《スラヴ叙事詩》(1911-28)だ。スラブ民族の歴史から主題を得て制作された、20作品からなるこのシリーズは、プラハ市に寄贈されてから50年以上の間、ほとんど人目に触れることがなかった。2012年にプラハ国立美術館で公開され話題となった「幻の最高傑作」が、世界で初めてチェコ国外にて公開される。

 本展は、ミュシャが《スラヴ叙事詩》に至るまでの道のりを、出世作となったアール・ヌーヴォー様式の作品など、約100点を通じてたどる構成となっている。

編集部

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