公益財団法人大原芸術財団が、今後の事業計画を発表。美術館創立100周年に向けた取り組みや、新たな運営方針などが明らかになった。
岡山県倉敷市にある大原美術館は、日本初の西洋美術を中心とした私立美術館として1930年に開館した。2024年には新たに大原芸術研究所が設立され、先代の館長・所長を務めた高階秀爾に代わり、現在は三浦篤が同職に就いている。
創立100周年に向けた取り組みが進行中
2030年に創立100周年を迎える同館では、基盤となる所蔵品総目録の作成をはじめ、大学研究機関との共同研究や図書・文献資料の整理が進行中だ。24年に逝去した高階の功績をアーカイブする「高階文庫」も同館に移管し、整備が進められている。
新規収蔵作品としては、アルフレッド・シスレーの《1878年の冬の朝》(1878)や、モーリス・ユトリロ《雪のモンマルトル ムーラン・ド・ラ・ガレットとサクレ・クール寺院》(1930年代)が、高砂熱学工業より寄贈された。また、昨秋同館で開催された森村泰昌の個展「ノスタルジア、何処へ。」で発表された作品も収蔵が予定されているという。
加えて、100周年を前に実施されたのが、同館コレクションの顔とも言えるエル・グレコ《受胎告知》(1590頃〜1603)の修復プロジェクトだ。同プロジェクトは昨年7月に一般財団法人クラレ財団の助成を受けて始動しており、現在その成果報告展が本館で開催されている。
2030年を前に、館長の三浦は「美術館の出発点を遡ってそのあり方を再考し、今後の展覧会を企画していきたい」とその心意気を述べた。
持続可能な美術館運営を目指して
さらに同館は、持続可能な美術館の運営体制を整えるための取り組みとして「みんなのマイミュージアム」を掲げている。美術館の入場収入のみならず、寄付や地元企業を中心としたオフィシャルパートナーの獲得を進めているほか(現在220社が協賛)、「特別鑑賞ツアー」などの付加価値商品の展開を進めていく方針だ。
なお、改修工事のため現在長期休館中の分館に関しては、2030〜35年を目標に、展示室としての今後の使用方針を明らかにするという。





















