開館を記念して、美術館では国際チームによる展覧会「A Call of All Beings: See you tomorrow, same time, same place」が開催される。台湾、アメリカ、ルーマニア/韓国のキュレーターによって共同企画された本展は、中央台湾の自然や都市の風景、文化的背景を手がかりに、人間と非人間的存在の関係を多様な視点から探求する。

VR360, produced by VRS. The first edition was powered by Onassis Culture
and is part of the Onassis Collection, courtesy of the artist

Site-specific artwork, courtesy of the artist
同展には、台中市立美術館の所蔵品に加え、国内外アーティストの新作や特別委託作品が多数出展される。参加作家には、ポーランドのカロリナ・ブレグワ、韓国のチョン・ソヨン、日本の鈴木悠哉、台湾の王虹凱、陳瀅如、許家維、劉玗、饒加恩らが名を連ねる。そのほか、ベルギーのアドリアン・ティルティオによる空間インスタレーションや、ジョーン・ジョナスの凧作品、ヨーゼフ・ボイスの後期彫刻など、多様なジャンルが展開される。
さらに、美術館によるアート・コミッション「TcAM Art Commission」では、韓国のヤン・ヘギュと台湾のマイケル・リンによる初回委託作品も公開される予定だ。ヤンは、韓国と台湾に共通する「古木への信仰」から着想を得て、高さ27メートルのアトリウム空間に《Liquid Votive – Tree Shade Triad》を展開。リンは、台湾の伝統織物の柄を用いた壁面作品《Processed》を制作し、美術館の公共空間を再構成する。

Performance at Xiangtian Lake, photo by Ken Wang, courtesy of the artist
そのほか、原住民舞踊団体「TAI Body Theatre」や、振付家スー・ウェンチー率いるYiLabによる映像作品、国際アート雑誌『White Fungus』とのコラボレーションなど、ジャンル横断的なプログラムも予定されている。
台中市立美術館の館長・賴依欣は、「当館は台湾の現代アートを発信する新たな拠点として、国内外の芸術コミュニティとの対話を促す場を目指す。芸術と図書の融合が、環境や都市、文化のあり方に新たな視点と体験をもたらすことを期待している」とコメントしている。
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