2022年に開催された第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展への参加を辞退したロシア。今年のビエンナーレ会期中(4月20日~11月24日)、ヴェネチア・ジャルディーニにある同国パビリオンの使用をボリビアに譲ることが報じられた。
2022年、ロシアによるウクライナ侵攻を理由に、ロシア館のキュレーターであるライムンダス・マラウスカスと参加アーティストのキリル・サフチェンコフ、アレクサンドラ・スチャレヴァが参加辞退を表明し、同館は不参加することとなった。今回は、2回連続で不参加となっている。
「The Art Newspaper」によれば、イタリアの『Il Giornalle dell'arte』紙が3月に報じたこの決定は、ロシアとボリビアのあいだで文化協力、リチウム抽出、原子研究の協定が結ばれたことに基づいたもの。ボリビアは2023年、ロシアの国営原子力機関「ロスアトム」とリチウムに関する協定を締結。先月、ボリビア原子力庁の長官は、2025年にロシアの専門家と研究用原子炉を立ち上げると発表している。
ボリビア館の展覧会タイトルは「looking to the futurepast, we are treading forward」。ボリビアの文化・脱植民地化・脱民族化省が主催し、フアン・カルロス・コルデロ・ニナ副大臣がコミッショナーを務める。
展覧会には26人のアーティストが参加。ボリビアをはじめとする南米諸国から、テキスタイル・アーティストのエルヴィラ・エスペホ・アイカ、壁画家のロルヒオ・バカ、ペルーのヤナキ・エレーラ、ブラジルの先住民アーティストで映像作家のザヒー・テンテハルなどが名を連ねている。