2024.3.29

名古屋芸術大学次期学長にセクハラ疑惑。学生有志「厳正な処分」訴えも大学は否定

4月1日付で名古屋芸術大学次期学長に就任予定の來住尚彦氏に対し、学生らがセクシャルハラスメントを訴える事態になっている。

名古屋芸術大学ウェブサイト

 4月1日付で名古屋芸術大学学長に就任予定の來住尚彦氏(現在・同大非常勤講師)に対し、名古屋芸術大学 学生有志の会(以下、学生有志の会)がセクシャルハラスメントを訴える事態となっている。

 來住氏は東京放送(現TBSホールディングス)にAudioエンジニアとして入社。2008年には「赤坂サカス」を立ち上げ、15年にTBSホールディングスを退社。以降はアートフェア東京をはじめ、京都、大阪などでもフェアの企画やプロデュースで関わってきた経歴を持つ。21年4月から同大現職。

 学生有志の会は、複数の学生が来住氏から学内でセクシャルハラスメントを受けたと訴えており、署名サイトでその内容を公開。公開されている情報によると、ハラスメントが起きたのは昨年8月19日で、当時、ミュージカルコースの学生複数名が被害を受けたと訴えており、大学側に対して「真摯な対応」と「公正で透明性のある学長選挙プロセスの再実施」を求めている。

 こうした訴えを受け、同大では外部の弁護士を含む調査委員会を設置。外部弁護士による学生や来住氏、現場にいた職員に対するヒアリング調査を行った結果、3月28日に「処分するべきハラスメントが行われたとは認定できない」という結論を公式サイトで発表した。

 これに対し、学生有志の会はXで「私たちはこれを受け、到底納得が出来ずまた何故処分無しなのか具体的な理由も無いため、引き下がることは無く徹底的に戦いたいと思います」とのコメントを投稿している。

 「中日新聞」や「名古屋芸術大学の将来を考える会」などによると、同大では10年4月から学長を務めてきた竹本義明学長と、運営する学校法人・名古屋自由学院が次期学長選挙をめぐり対立。法人が竹本氏に職務停止命令を出し、これに対して竹本氏が仮処分申立と本訴を行うという事態に発展している(1月に仮処分申立は取り下げている)。