文化財や美術品のデジタル・アーカイヴ化を簡便に。OMデジタルソリューションズがシステムの提供へ

OMデジタルソリューションズが、5月より文化財や美術品のデジタル・アーカイヴ化を簡便に行える「Rシステム」の提供を開始する。

 文化財や美術品のデジタル・アーカイヴ化のために、立体的な被写体の高精細画像の撮影に適した撮影モードと、ワークフローを解説したユーザーズガイドをセットにした「Rシステム」の提供を、OMデジタルソリューションズが5月より開始する。法人や個人事業主が対象となる。

 「Rシステム」は、近年、文化財や産業資産をデジタルデータ化して後世に残す取り組みが活発化するなか、デジタル・アーカイヴのための撮影において難易度が高かった点の解決を目指すもの。デジタルデータ化のための撮影には「ピントの合う範囲が狭く立体的な被写体の撮影が難しい」「高精細画像を得るために大掛かりな機材が必要」といった課題があった。また、膨大な資料をデジタルデータ化するためには膨大な時間を要し、簡単に効率よくデジタルデータ化できる手段も要望されている。

  システムでは小型軽量のミラーレス一眼カメラのカスタムモードに、立体的な被写体に対して広い範囲でピントが合う「深度合成機能」や、8000万画素の高精細画像を撮影できる「ハイレゾショット機能」を登録。また、ワークフローを説明したユーザーズガイドが付属し、誰もが簡単にデジタルアーカイブ向けの撮影をすることが可能だ。深度合成早見表付きスケールも付属し、ピントの合う範囲を簡便に確認することで撮影の効率化を図れる。

深度合成早見表付きスケール

 さらにパソコンからカメラを操作して撮影を行うことができるテザーモード撮影用無償ソフトウェア「OM Capture」と、撮影した画像をその場で確認できる画像編集用無償ソフトウェア「OM Workspace」の併用も可能となる。

左からテザーモード撮影用ソフトウェア「OM Capture」、撮影した画像をリアルタイムに確認できる画像編集用ソフトウェア「OM Workspace」

 本システムは同社の一般向け製品であるミラーレス一眼カメラを基盤としており、大がかりな撮影設備を準備することと比較してコストパーフォマンスにも優れているという。

 今年4月には博物館法が改正され、博物館の事業として資料のデジタルアーカイヴ化が明記されるなど、需要が高まるデジタル・アーカイヴ。小規模な美術館や博物館、ギャラリーのほか美術系の教育機関においても有意義な選択肢になりそうだ。

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