瀬戸内国際芸術祭で展示のアイシャ・エルクメン作品が撤去へ。台風による破損のため

瀬戸内国際芸術祭で展示されていた岡山・宇野港跡のアイシャ・エルクメン《本州から見た四国》(2022)が、台風による破損のため撤去されることが決まった。本作は会期後も恒久展示が予定されていた。

アイシャ・エルクメン《本州から見た四国》(2022) 2022年8月3日撮影

 現在、秋会期が11月6日まで開催されている日本最大規模の国際芸術祭「瀬戸内国際芸術祭」。その夏会期(8月5日〜9月4日)より展示されたアイシャ・エルクメンの作品《本州から見た四国》(2022)が、9月20日に通過した台風14号による破損被害のため、撤去されることがわかった。

 本作は、かつて本州と四国を結ぶ連絡船が発着した岡山・玉野市の宇野港の跡地で展示されていたもの。トルコ出身の作家であるエルクメンが夏会期に合わせて完成させ、恒久的に展示される予定だった。

 かつて四国への入口であった宇野港の記憶を表すように四国のかたちをかたどった作品で、鏡面仕上げの表面は四国まで続く海路の島々を映し出すものとされていた。

 撤去作業は10月25日~28日に行われる予定で、再制作等は現時点では発表されていない。

 なお、瀬戸内国際芸術祭の作品では、直島の草間彌生《南瓜》(1994)が昨年8月の台風により海に流され破損。その後、約1年を経て今年10月4日に再制作され公開された。

編集部

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