三菱地所株式会社、東宝株式会社、そして公益財団法人出光美術館は27日、東京都千代田区丸の内三丁目にある三菱地所所有の「国際ビル」と、東宝・出光美術館が所有する「帝劇ビル」を共同で一体的に建て替えることを明らかにした。
国際ビル・帝劇ビルは1966年竣工。皇居外苑のお濠と丸の内仲通りに面するランドマーク的な建築として親しまれてきた。帝劇ビルには帝国劇場が構えており、日本を代表する演劇・ミュージカルの聖地として知られる。また、帝劇ビルには、出光興産の創業者である出光佐三のコレクションを展示・公開する出光美術館も入居。国宝2件・重要文化財57件を含む約1万件のコレクションを有する美術館として広く知られている。
国際ビル・帝劇ビルは竣工から約56年が経過しており、今回の建て替えは、防災対応機能の強化やテナントニーズの高度化への対応、脱炭素社会の実現に向けた社会的要請への対応強化など、機能更新が大きな目的のひとつだという。
今後の具体的な建て替えスケジュールは未定となっているものの、両ビルは2025年を目途に閉館する予定。今回の再開発にあたり、出光美術館は次のようなコメントを発表している。
「今回の再整備にあたっては、開館以来、ご来館いただいた皆様とともに培った当館らしさは継承しつつも、心潤う都会のオアシスへと、新たな進化を目指します。芸術・文化を取り巻く社会動向が大きな転換期を迎えている今。未来の変化にもしなやかに応じる事のできる美術館として、関係各位とも協力しながら本計画に取り組んで参る所存です」(プレスリリースより抜粋)。
なお近隣エリアでは、静嘉堂文庫美術館が世田谷から丸の内の明治生命館に移転(10月1日)。帝国ホテル本館は建て替えが決定しており、2036年に田根剛設計の新本館が完成予定となっている。