イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館の分館で、同国最大の子供向けのコレクションを持つV&A子供博物館が「Young V&A」と改名し、1300万ポンド(約20億円)を投じた改修工事を開始することを発表。リニューアルオープンは2023年を予定している。
同館の前身は、1872年に開館されたベスナル・グリーン博物館。1974年に、当時のV&A館長によって子供向けの専門博物館に位置づけられ、「V&A子供博物館」に改名された。2005年から06年にかけて大規模なリノベーションが行われ、昨年3月より新型コロナウイルスの影響で休館が続いている。
AOCアーキテクチャーによる改修計画には、「Play」「Imagine」「Design」の3つの新しい展示室や、V&Aのコレクションを紹介するインタラクティブな展示空間、学習のための専用ワークショップ、来館者のためのギャラリー内デザインスタジオ、新しいカフェやショップなどのスペースが含まれている。
再開とともに、同館は新規収蔵品も展示。例えば、東京2020オリンピックのメダリストであり、世界最年少のプロスケートボーダーでもあるスカイ・ブラウンのスケートボードや、サステイナブルなファッションデザイナーであり、アーティストでもあるベサニー・ウィリアムスがホームレスやホームレスになる恐れのある女性や子どもを支援するロンドン組織「Magpie Project」とコラボレーションした2021年春夏コレクション「All Our Children」の服、低コストのバイオニクスハンドを開発しているOpen Bionicsによる3Dプリントの義手「Hero Arm」などがハイライトとして挙げられる。
今回の改修について、V&A館長のトリストラム・ハントは声明文で次のようにコメントしている。「好奇心や実験心を育み、遊びを祝福する世界的な博物館である『Young V&A』は、あらゆる形態の子供の創造性の世界的なチャンピオンとなるだろう。この重要な投資は、創造的な教育、共同作業、芸術的なインスピレーションを若者が得ることができないという、新型コロナウイルスの影響に対抗するためのもので、これまで以上に緊急性の高いものだ。2023年の再開に一歩近づいたことを嬉しく思う」。