渋谷・宇田川町の映画館「アップリンク渋谷」が、5月20日の閉館を発表した。
アップリンク渋谷の前身は、1995年にオープンした神南のイベントスペース「アップリンク・ファクトリー」。数多くのライブやイベント、そして16ミリフィルムなどによる上映を行い、2004年には現在の宇田川町に「アップリンクX」として移転、日本一小さな映画館としてスタートした。その後は「アップリンク渋谷」として規模を拡大し、「ファクトリー」から計26年間にわたり活動を続けてきた。
しかし昨年からのコロナ禍の影響で、設備や機材の老朽化が進み再投資が必要な状況のなか打撃を受けた。昨年はオンラインサービスの「アップリンク・クラウド」や「ミニシアターエイド」などを通した多くの支援や、助成金・補助金によって営業を続けることができたが、今年は再投資をしても先が見えない状況となり、閉館の決断を余儀なくされたという。
また昨年6月には、代表の浅井隆からパワーハラスメントを受けたとして、同社および関連会社の元従業員が損害賠償を求めて提訴。10月には和解協議が合意に至ったが、原告側は「円満にすべての問題が解決した」とは考えていないとして、ウェブサイト「UPLINK Workers’ Voices Against Harassment」上で声明文を発表している。
なお今後は、「アップリンク吉祥寺」「アップリンク京都」を拠点に活動を続けていく。